第五章 トレード相談

1.トレード

相場は2006年1月に起きたライブドアショックのため、新興市場は下落トレンドに、日経平均はレンジ相場に移行していました。
そのような地合もあり、以前は毎日トレードしていましたが、今回はチャンスの時だけやるというスタンスです。

すでにトレードを休止する前から



と言っており、それを実践することになります。
びびりおんの言う簡単に勝てる時とは



と言うように地合がいい時であり、地合がいい時とは



と言うように新興指数全てが一方通行で上がる時になります。

わかりやすくて簡単くさい局面がきたらたくさん買います」(ブログ2006年5月10日)
と言っています。ただ



と言っており、難しい局面で手を出してしまうこともあるということです。

2.手法相談

びびりおんはトレード手法の話にも変化が出ます。
以前はトレード手法は切れ切れに話す程度で秘密にしていましたが、雑誌、ブログ、インターネットラジオ、そして2chで明確に話すようになります。
この時期は前年(2005年)12月のジェイコム事件の影響もあり、個人トレーダーがちょっとしたブームでトレード本も多数出版されていました。
そんな中でもびびりおんは、雑誌はともかく、ブログ、ラジオ、2chで相談者と直に話しながら相場を解説したため、多くのトレーダーの手法向上に貢献することになります。
2ch上で行った解説を具体的に見て行きます。

参考
2006年8月〜9月のカレンダー

http://www.benri.com/calendar/2006.html より。

参考(再掲)
「株価チャート入門の入門」

2-1.2006年8月15日(火)〜16日(水)



とあります。
2006年8月15日と16日のびびりおんのトレードを見てみます。

2006年8月15日は朝の見通しとして



と言っています。
びびりおんは新興の銘柄は日中の動きはマザーズ指数に連動するが、新興の全体的な見通しはJSQ平均の方が表していると考えています。
JSQ平均の日足チャートです。



7月後半に一旦底を打って7月末から連続陽線で反発軌道に入り、8月に入って軽く押すが、再び上昇軌道に入りつつあります。
5日線も徐々に上向きになり、ちょうど5日線、25日線、株価が煮詰まって収束している感じです。
びびりおんは日経平均の上昇から強気相場入りを感じつつもまだ決断をためらっているようです。

場が開いて



と言うようにヤフーとイー・トレード証券とSBIを買います。
これらを買ったことについて


(はげはソフトバンクのこと)

と言っています。
25日線ブレイク間近だった全体(=JSQ平均)の動きや当時新興の中心的な銘柄だった楽天がすでに25日線をブレイクしてGU陽線を付けていることから、全体相場での爆上げを予想しています。

楽天の日足チャート


ヤフーは同業種のソフトバンクが上昇していたことから連動して上がっていくことを予想しています。
ヤフーは名無しが手仕舞ったところでびびりおんは買い増ししており、普段は慎重なトレードをするびびりおんも行く時は徹底して強気です。



ヤフー、SBI、イー・トレード証券を買ったのは、新興に似た動きをするというのもあるようです。



と言っています。
持ち越しは




と言っています。

イー・トレード証券はSBIに統合され、CCIとインデックスは上場を廃止していますので、ヤフー、SBI、アドウェイズの日足チャートを見てみます。





ヤフーとSBIはいずれも7月末に底をついて、底固めをして小さな持ち合いを形成した後、出来高を伴って上昇し始めたところです。
陽線の数が増え、5日線が上向きです。



アドウェイズは上場直後の乱高下が収まり、15日に出来高を伴って5日線を越え、5日線も上向きになりつつあるところです。
上髭については、別の銘柄ですが
大東紡績に買いを入れたのは、5日線急騰銘柄が前日上髭(陰線)をつけたのに、翌日何事もなく買い気配で始まった場合、その日は陽線を引く可能性が高いという憶測に基づいた買いでした」(ブログ2006年5月26日)
と言っており、上髭の翌日にギャップアップした場合は陽線引く可能性が高いという経験則があるようです(ただしこの大東紡績は寄り天で損切り)。
全体の動きやアドウェイズの動きから翌日ギャップアップして陽線引くと考えたのかもしれません。
いずれの銘柄も出来高急増で買いに行っていますが、出来高急増については



と言っており、この言葉通り見ている時もあれば見てない時もあるということでしょうか。

翌8月16日です。
朝の見通しとして



と言っています。
前場始まって







と言っています。
前場引け後に



と言っています。
マザーズ指数の動きが乱高下していたため、前日から持ち越したSBIとインデックスを手仕舞い、ヤフーも一部手仕舞ったようです。
この日新たに買ったアプリックス、フルキャスト、ゼンテックも即手仕舞ったようです。
急騰していたタカラバイオはホールドです。
クリードもホールドしています(クリードは現在は上場廃止)。



と答えています。
ヤフーについて



と言うように情報を聞きつけて決済です。
タカラバイオについては



と言うようにストップ高までいったようです。



タカラバイオは25日線と75日線に挟まれる形で三角持ち合いになっていたところ、16日に出来高を伴って大陽線でストップ高を付けています。
びびりおんは日足チャートを確認してから買うので、急騰の情報を聞きつけた後、この日足チャートを確認して買ったのではないでしょうか。

大引け後



と言っており、大引けにかけてマザーズ指数が下がったのでポジションを減らしたようです。
名無しより



と言われています。
ブログには今日の取引結果として



と言っています。
いずれの場合もJSQ平均が上昇ムード(日経が先行して上昇+JSQ平均の5日線上向き+直近押し目が浅め+新興主力の楽天がGU陽線で25日線ブレイク)の中、各銘柄が三角持ち合いもしくは横横から出来高を伴って上昇し、5日線が上向きつつある時に買いを入れています。
手仕舞いはマザーズ指数の日中足の方向性が無くなった時、もしくは下落した時になります。
損切りは速く、Vテクノロジーについて、



とVテクを買いに行きますが、わずか18分後には



と言うように損切りしています。

2-2.2006年8月21日(月)双日、帝人

名無しより双日と帝人について質問がありました。



びびりおんは地合が悪いなら手仕舞った方がいいと言っていますが(びびりおんが言う地合いとは新興指数を指す)、チャート自体は悪く無いと言います。





いずれも出来高を伴って上昇+5日線が上向きです。
びびりおんはこのようなチャートを悪くないと見ています。

2-3.2006年8月27日(日)三井金属

三井金属についてです。



チャート見たけどなんともいえませんねえ」「どっちかって言うと5日線キープであがりそうな気がしなくも無いすけどね。わかりませんなー」と言っています。



結果的に翌28日(月)から押しますが、それまでは陰線でも5日線を支持線に上昇軌道だったせいか、「あがりそうな気がしなくも無い」と言っています。
それまで上がって来ているなら上昇に張るのが有利だろうという考えです。

2-4.2006年8月31日(木)光通信

2006年8月31日は全体(JSQ平均)は小動きでした。そのせいかショットガン買いではなく、強い銘柄を単発で狙います。



びびりおんは売り板が厚いから買いにくいと言いつつも、「しかしチャートはいいな」と言っています。













と言っています。
大引け後のブログには



2chの勧めだけで買ったのかと聞かれると



と答えています。
光通信は翌日の寄付き後



と言っており素早く決済します。

びびりおんは「チャートはいい」と言っています。
5日線が上向きで、25日線も上向きです。
株価は2週間ほど持合いを続けており、上向きの5日線が支持線になっています。
そこへ来てGUして陽線を付けている時(=日中足が右肩上がりの時)に買いポジションを取っています。
上向きの5日線を支持線に陽線(特にGU陽線)を付けるというのはびびりおんが好きな形です。

翌日アメリカの影響でGDし、値動きが悪かったところで切っています(日足しか分かりませんが下髭をつけているのでおそらく下方向へ行ったところで切ったのではないでしょうか)。
あるいは8月31日に出来高が急増しており、びびりおんは多すぎる出来高は天井or底のサインと見ていますので、それもあったかもしれません。

2-5.2006年8月31日(木)森精機

森精機です。



と答えています。



5日線が横ばいで狭いレンジ相場になっています。
翌9月1日(金)こそ小陰線の小動きでしたが4日(月)より上にブレイクしています。
その後に下へ崩れますが短期トレードならば取れたかもしれません。

無理に予想せず動いた方について行くという値動きの重視の考えです。



と言っています。

2-6.2006年9月1日(金)住友理工、日立建機、アスクル

日立建機(6305)と住友理工(5191)とアスクル(2678)です。



びびりおんは「どちらも上がりそうな雰囲気がないではないですね」「どちらかといえば上がりそう」と言っています。

日立建機です。



日立建機はそれまでじり高していたところ出来高を伴ってしっかりした陽線を付けています。
5日線も上向きです。
5日線が上向きで出来高を伴って陽線を付けるというびびりおんが好きな形のチャートですが「上がりそうな雰囲気がないではない」と慎重な発言をしています。
びびりおんが苦手な東証一部の銘柄だったせいかもしれません。

住友理工です。



住友理工は前日(8月31日)に出来高を伴って25日線をブレイクし、5日線も上向きです。
この日(9月1日)も陽線を付けており3日連続陽線です。
強気の判断でもおかしくないですが、直近高値の抵抗線に掛かっていたせいなのか東証一部の銘柄のせいなのか前述のように慎重な判断です。

アスクルです。



4営業日ほど底練りした後に5日線と25日線ブレイクの陽線を付けています。
どちらかといえば上がりそう」という判断です。
横ばいからの平均線ブレイクというびびりおんの好きな形ですが、東証一部の銘柄だったせいなのでしょうか、慎重な判断です。

2-7.2006年9月4日(月)fonfun

fonfunです。



びびりおんは「微妙」とだけ答えています。



この日(9月4日)はギャップアップで5日線をブレイクして出来高を伴う上髭小陽線です。
びびりおんは上髭でも買う時は買って行きますが、この時は「微妙」とネガティブな判断をしています。
その後は下方向に行きましたので結果的に正しかったです。

びびりおんは過去の値動きで判断することもあります。
この銘柄は上髭を出すと下方向に行くことが多いのでこのような判断をしたのかもしれません。

2-8.2006年9月6日(水)アセットマネージャーズ(現社名いちごグループホールディングス)

アセットマネージャーズ(現社名いちごグループホールディングス)です。



びびりおんは「今日はいったん天井うったくさくね」と言っています。



この発言の時点でどういう動きだったのか不明ですが、日足は出来高を伴った上髭陰線です。
びびりおんにしては珍しく5日線が上昇している最中での天井宣言になります。
前日の倍以上と出来高が急増しているため天井と見たのかもしれません。
結果的に3日後に一旦高値を更新してから崩れています。

参考
「株価チャート入門の入門」

2-9.2006年9月10日(日)エスプール

エスプールです。



びびりおんは「いいすね」とだけ言っています。



5日線が横ばいの狭いレンジで推移していたところ、レンジ内で下髭小陽線を付けています。
25日線とちょうどぶつかったところなので反発すると思ったのかもしれません。
結果的に翌日上髭陰線を付けその後下に崩れますが、びびりおんのエントリーポイントがうかがえます。

2-10.2006年9月19日(火)ミルボン

ミルボンです。



びびりおんは「ミルボンはやばそう」と言っています。



2ヶ月半にわたって下落し、5日線、25日線、75日線すべて下向きです。
13日(水)に底を打ち、その後3連続陽線で反発しています。
3連続陽線で5日線こそ上向きですが、3日とも上髭を出しており、ローソクの実体が徐々に短くなっています。
出来高は底打ちから反発の期間で最も多いです。

上昇力が鈍ってきているのと出来高の多さで、この後も上昇を続けるのは厳しいと見たのかもしれません。
実際にその後再び下落し底を這っています。
名無しはびびりおんの回答に対して



と言っていますが、びびりおんはこの発言に対する回答はありませんでした。

2-11.2006年9月19日(火)楽天

楽天です。



びびりおんは「空売りもありそうですけどどうですかねえ。意味不明に強いのはたたかないほうがいい可能性も」と言っています。



前述のミルボンと同じ日です。
ミルボン同様、5日線、25日線、75日線が下向きで下落トレンドです。
ミルボンの一日遅れの14日(木)に底を打ち、2日連続陽線です。
ミルボンと違いびびりおんは「意味不明に強い」と言っています。

この日(19日)はGU陽線で5日線をブレイク、上髭が短く日中足は高値圏で引けたのが分かります。
ローソクの実体も前日より長いです。
ここらから上昇力が強まっていると見たのかもしれません。

また、ミルボンは出来高が多かったですが、楽天はここ数日と変わらないので、まだこの後に買いが控えていると見たのかもしれません。
結果的に翌日から下へ行きますが、びびりおんの判断基準が見て取れます。

2-12.2006年9月19日(火)日経平均

日経平均です。



びびりおんは「すべててじまえ」と強く答えています。



横ばいから25日線をいったんブレイクしますが押し戻され、上髭陰線で終わります。
ここ数日陰線も多いです。



びびりおんは25日線を抜けきらないことに「まあそれもあるんじゃないすか」と答えています。
他の要因は見つからないのですが、ひょっとしたら



新興指数が先んじて下落していたためかもしれません。
びびりおんは



と考えており、



と考えています。
もちろん日経と新興指数に乖離がある場合、先物主導ではなく大型株が買われている場合もあるし、必ず先物が新興指数について行くとも限りませんが、この時は新興指数の下落から日経平均の怪しさを感じ取ったのかもしれません。
びびりおんの読みは当たっており、その後日経は一週間ほど下落します。

2-13.2006年10月19日(木)USEN

2006年10月19日の大引け後、USENが特損処理による赤字転落のIRが出ます。



びびりおんは「業績悪い感じはかなりしていた」と言っています。





1枚目はUSENの日足チャート、2枚目はJSQ平均の日足チャートです。
8月1日から10月19日までの間、JSQ平均と比べるとUSENの方が上昇が鈍く、下落が深いです。
全体的に陰線も多いです。
75日線からの下方乖離もUSENの方が大きいです。

びびりおんはこれらから業績の悪さを予想していました。



という株価が業績(景気)に先行するという考えです。

また、「持ってたけど持ち越さなくて良かった!」と言うようにザラ場は買っていたようです。
これは10月11日に底をついてから陽線が多く、5日線が上向きで、前日の18日に5日線で反発し、当日19日にギャップアップだったため強いと見たのかもしれません。
大引け後に決算短信の発表があったので、そのため持ち越しを避けたのではないでしょうか。



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