uoaのトレード方法についてB
14.ジェイコム事件
15.ジェイコム事件後
16.一村氏=uoa肯定説
17.一村氏=uoa否定説
18.肯定説否定説を見て
19.一村氏がuoaだと仮定すると
20.終わりに
ジェイコム事件とは2005年12月8日に起きたみずほ証券による誤発注事件になります。
この日新規上場したジェイコム(2462現社名ライク)は、新興市場の好地合いも手伝って、公開価格61万円に対して90万円程度の気配値で推移していました。
そこでみずほ証券の担当者が1株61万円で売りに出すところ、誤って61万株1円で売りに出してしまい、気配値が急落、9時27分67.2万で初値が付きます。
寄り付いた後も株価が急落し、9時30分ストップ安57.2万円まで下落します。
証券会社のディーラーや個人トレーダー、誤発注に気が付いたみずほ証券が一気に買いに走り、9時43分ストップ高77.2万円まで急上昇します。
その後ストップ高から落ちる場面もありましたが10時20分以降はストップ高張り付きになり、この日の取引を終えます。
翌日以降ジェイコム株の取引は停止され、最終的には溶け合いと呼ばれる緊急措置で1株91.2万円で強制決済され、事件は終息します。
この日の有名個人トレーダーの動きを見てみます。
BNF
BNFは2005年4月1日を最後に2chに来ておらず、この時点では消息不明でした。
cis
cisは3300株、20億円分をストップ安で買い付けます。

ストップ安で買い付けるとすぐにストップ高に売り注文を入れ、6億円の利益を上げます。

その後cisは当初誤発注元と言われた日興コーディアル証券と大和証券グループに空売りをかけ、さらに急落していたメガバンクに買いを入れます。
メガバンクは結局伸びず損切りになり、この事件の損益は

となります。
びびりおん
びびりおんはこの時期トレードを休んでおり、ジェイコム株含め一切手を出しませんでした。

すくる〜じ
すくる〜じ は、2002年12月の忘年会でcisや びびりおん らとともにuoaに会い、後に15億円以上稼ぎますが、
ジェイコム事件に関しては「明らかなミスプライスは叩かない」と手を出しませんでした。

金くれ
後に推定20億円を稼ぐ金くれは特にコメントがなく、話を振られても答えようとしませんでした。
大儲けした個人投資家のニュースが出ると

と言っています。
五月
後に100億円以上の資産を築く五月ですが、この時はまだ本格的にトレードを始めて1年未満で(ハンドルネームの五月は2005年5月にトレードを始めたことに由来する)、
当時の2ch株板でも無名でした。
この日、五月はジェイコムの板を目の当たりにしてきながら、信用余力がなく、かと言って現物で買う踏ん切りもつかず、何もできませんでした。
「行く時には行かんとだめだね」と言っています。

ジェイコム事件後大量保有報告書によって大きな利益を上げた個人投資家が明るみに出ます。

大量保有報告書には本名が載っており、六本木24歳は一村哲也氏、市川市27歳は小手川隆氏と言いました。
小手川隆氏はしばらくして自らBNFと名乗り出ました。
六本木24歳一村哲也氏を見ていきます。
一村氏大量保有報告書P1〜2
一村氏大量保有報告書P3〜5
このニュースが出た時、24歳と言う年齢とその年齢にして5.6億円の利益を上げたこと、その利益がなくても28億円持っていたことが驚かれました。

2chではすぐに一村哲也氏が誰なのか特定が行われます。


cisは日計りで決済したので大量保有報告書は提出しません。
続いてニュースが出ます。


(下段のニュースは産経新聞社2005年12月16日17時25分)
・港区にある投資会社の役員をしていること
・ソネット・エムスリーの第8位株主だったことがあること
・ウィジーというIT企業を学生仲間と起業し筆頭株主であること
・慶應義塾大学に在学していたこと
が分かります。
cisはこれらのニュースを見て言います。

cisは「9割uoa」と言い、この発言もあって一村哲也氏=uoaというコンセンサスに収束していきます。
実際に一村哲也氏がuoaだったのでしょうか。
肯定説、否定説ありますので見ていきます。
一村氏とuoaが共通する点を見ていきます。
○生年月日
uoaは直接生年月日を言うことはありませんでしたが、いくつか推測できる情報があります。
uoaは2002年度は大学4回生でした。

2003年2月10日に21歳と言っています。

飛び級などの特殊な場合を無視すれば、大学4回生が終わる2003年3月31日までに22歳になるはずです。
実際、uoaが取材された週刊現代4月12日号(3月25日取材、31日発売、日記より)では22歳と書かれています。
そう考えると、uoaの誕生日は2月10日〜3月31日の間にあると考えられます。
生まれた年に関しては、2003年−22歳=1981年(昭和56年)になります。
つまり、uoaの生年月日は昭和56年2月10日〜3月31日の間になります。
一村哲也氏が提出した大量保有報告書によると、一村氏の生年月日は

となり、辻褄が合います。
○体型
uoaは小柄で

身長170p弱であり、体型は週刊現代によると細身と書かれています。
一方、一村氏と実際に会った事のある「全力くん」(Twitterでは「すぐる@zennryokukunn」)によると一村氏は

と言っており、uoaと体型が似ています。
○住所
uoaは関東に住んでいるという以外住所を言いませんでしたが、一度だけ神奈川県に住んでいることが分かることを言いました。

かなちゅうバスとは神奈川中央交通のバスを指します。
一村氏は2005年12月のジェイコム事件の大量保有報告書では六本木が住所になっていましたが、
平成16年(2004年)5月の丸石自転車の主要株主欄に載った住所によると

神奈川県藤沢市になっています(藤沢市にも神奈川中央交通のバスは通っている)。
○慶応義塾大学
前述のニュースにあるように一村氏は「慶応義塾大学在学中にアルバイトで貯めた自己資金を原資に、株式投資を始めた」とあり、慶応義塾大学に在学していました。
uoaは大学名を言ったことがありませんでしたが、2002年12月14日のオフ会(忘年会)に、uoaやcisらとともに参加したβ ◆9mmRMuT8g2との会話で

同じ大学と言っています。
uoaが2ch内でβ ◆9mmRMuT8g2と大学について話をしたことがないので、オフ会での話になります。
cisはそのオフ会に幹事として参加しており、(一村氏とuoaは)「オフのとき言ってたことと一致してる」(2005年12月18日)と言っています。
つまり、uoaはオフ会で大学名について話をしており、そのオフ会にいたcisが(一村氏とuoaは)「一致してる」というと言うことは、
cisはuoaが慶応義塾大学の学生だったことを知っており、そのことを指して「一致してる」と言っているのではないでしょうか。
uoaはジェイコム事件以前から慶応義塾大学の学生と言う説があり、オフ会にいた誰かが漏らした可能性もあります。

○投資会社
前述のニュースによると
「会社役員の職場は、東京・赤坂1丁目のビルの3階にある投資会社(有限会社)。
関係者によると、「会社役員は投資会社の代表だが、普段はほとんど出社してきません。会社は登記上ここにあるだけのようだ」という」
とあります。
一村氏は投資会社を持っていることが分かります。
一方、uoaは節税目的の会社を作ることを考えており、

と言っています。
一村氏とuoaが同一人物ならば、節税目的で作った会社が、上記投資会社と言う可能性があります。
○ベンチャー投資
前述のニュースによると一村氏は
「2004年7月には、デジタルコンテンツ保護事業を核とする「ウィジー」(本社・東京都港区、石原省平社長)を同年代の学生仲間3人と起業し、自ら筆頭株主となった」
とあり、ベンチャー投資をしています。
全力くんが一村氏と会ったのも起業家交流会のパーティーだったと言います。

uoaは相場以外に収入を得ることを考えており、

と言っています。さらにuoaはベンチャー投資に興味があり、

と言うようにベンチャー起業者のプレゼンに顔を出したりしています。
○六本木
一村氏は大量保有報告書によると六本木1丁目の高級マンションに住んでいます。
uoaは六本木ヒルズによく行くようで

と言っており、六本木という共通点があります。
○競馬
一村氏は2008年頃より競走馬の馬主になります。2017年7月現在の成績です。

http://db.netkeiba.com/owner/result/o_4kerRTTEFEN/
uoaは競馬が好きで高校時代よりやっていました(週刊現代より)。
2chのコメントによると一口馬主になるのが好きだったようです。


1998年uoaは17歳の高校生のはずです。この時のスプリンターズSはマイネルラヴが勝っています。
https://www.youtube.com/watch?v=iQgPGjB2z0I
一村氏とuoaは競走馬の馬主になるという共通点があります。
余談ながら一村氏の馬ですが、

最も活躍したヨヨギマックに見られるように低価格の馬を中心に買っており(ヨヨギマックは315万円で購入して9,999.1万円の賞金を獲得)、
uoaの低位株投資を彷彿(ほうふつ)とさせるものです。
一村氏とuoaで辻褄が合わない点を見ていきます。
○経営参加
前述のニュースによると一村氏は
「2004年7月には、デジタルコンテンツ保護事業を核とする「ウィジー」(本社・東京都港区、石原省平社長)を同年代の学生仲間3人と起業し」
とあり、2004年7月にIT系企業の経営に参加しているのがわかります。
uoaは2004年8月に

とあるようにIT系企業に就職しており、ニュースと辻褄が合いません。
ただ、uoaが就職したと言うIT系企業が「ウィジー」への経営参加を指している可能性もあります。
○学生仲間3人
前述のニュースに「学生仲間3人と起業」とあり、この文面だけ見れば2004年7月に一村氏は学生に見えます。
uoaは2004年8月に

「大学でて」と言っており、卒業したことが分かります。辻褄が合わないことになります。
ただ、「学生仲間」というのが学生時代の仲間という意味の可能性があります。
○東京郊外の大学の政治系学部
前述のように一村氏は神奈川県藤沢市に住み慶應義塾大学に通っていました。藤沢市には慶應義塾大学総合政策学部があります。
uoaは前述の週刊現代で「東京郊外の大学に通う」と書いてあり、また、マネージャパン2003年5月号では

政治系学部と書かれているようです。
神奈川県藤沢市の慶應大学総合政策学部を、東京郊外の大学の政治系学部と呼びうるかという問題があります(慶應大学では政治系学部と言った場合、法律学部政治学科を指す)。
ただ、前述のようにuoaはかなりの可能性で慶應大学出身であり、おそらく、神奈川県にある大学の総合政策系の学部と言ったら、すぐに大学名が特定されてしまいますので、
ごまかすために言ったのではないでしょうか。
○ワンルームのマンション
uoaは2004年8月にワンルームマンションを買ったといいます。

一村氏は大量保有報告書によると六本木1丁目の高級マンションに住んでいます。
こちらは賃貸マンションになります。
ワンルームマンションから高級賃貸マンションへ引っ越したのでしょうか。
肯定説も否定説も決め手に欠き、確定的な結論を得ることはできません。
ただ、否定説はいずれも言い間違いや聞き間違いで説明のつくものであり、
仮に一村氏とuoaが別人だとすると、たまたま同じ大学で、たまたま同じ年齢で、たまたま誕生日が同じ時期で、
たまたま同じような体型で、たまたま二人とも学生投資家で、たまたま二人とも乱高下する株が好きで、
たまたま二人とも20数億と言う大きな資産を持っていて、たまたま二人ともベンチャー投資が好きで、たまたま二人ともIT系企業の人ということになり、
厳しい確率での一致になります。
そう考えると、断定はできないもののcisの言う通り「9割uoa」となるのではないでしょうか。
一村氏とuoaが同一人物だったと仮定して見てみます。
○ジェイコム事件
ジェイコム事件を見てみます。
uoaは2001年11月30日、電通の誤発注事件に遭遇します。
電通株の誤発注事件とは下記の内容です。

http://www.erroneous-order.com/facilities/011130/index.html
uoaは電通の誤発注事件に際して

「即寄って大量の売り気配が出てるのにも気付いてたんですが、何が起こってるのか理解できませんでした…
あそこで日産投げ→電通買いに走れなかったのは、まだまだ未熟ってことですな・・ふー」
と言うように誤発注に気が付きながら、何もできなかったことを反省しています。
後に100億円以上を稼ぐ著名個人投資家・五月は著書「勝つ投資 負けない投資」(2015年)でジェイコム事件について、下記のように書いています。
(ジェイコム事件では)“その時僕は、リアルタイムでその様子を目撃していました。ところが、ただの1株も注文を出すことができませんでした。
「誤発注」という概念そのものが僕の頭になかったため、今起きていることが何で、それがどんな機会をもたらすのかについて想像力を働かせる材料を持たなかったのです。
しかし、その前年に電通で起きていた大規模な誤発注事件を知っている投資家にとって、ジェイコムに出た発行済株式数を上回る異常な売りは空前絶後の儲けのチャンスに映ったでしょう。
次の瞬間には、誤って売ってしまった株を買い戻すための膨大な買いが来ることを過去の経験から知っていたからです”(P65〜66)
uoaが電通の誤発注事件で動けなかったように、五月はジェイコム事件で動けませんでした。
そして、おそらく五月の分析通り、「電通で起きていた大規模な誤発注事件を知っている投資家」であるuoaは、
「誤って売ってしまった株を買い戻すための膨大な買いが来ることを過去の経験から知っていた」ため、
28億もの資金を投入して、6億円近い大きな利益を上げることができたのではないでしょうか。
○現在のuoa(一村氏)
uoa(一村氏)は夢の街創造委員会(2484)の大量保有報告書を提出しています。
もともと夢の街創造委員会(2484)に関しては2013年7月22日の報告書提出以来、買い増しを進め、
2016年には発行済株数の10.59%、取得金額で5.69億円、株数で119万3800株の株式を保有していました。
そこで2016年10月13日、90万株を1800円で処分し13億円近い利確をしています(利益12.9億円=売却金額16.2億円−取得金額3.30億円)。
まだ発行済株数の2.65%、取得金額で2.39億円、株数で23万9447株を持つ大株主です。
夢の街創造委員会(2484)の他は、前述の丸石自転車(2004年5月)とソネット・エムスリー(2004年9月)に加え、トウペ(2005年3月)、シキボウ(2005年3月)、
アイフル(2012年6月)、エンバイオHD(2015年9月)、ショーケースTV(2015年12月)の大株主に登場したことがあります。
馬主に関しては、34頭の競走馬を所有しており、現在もレースに出ています。
uoaは2003年にマネージャパンと週刊現代に出たほか、ジェイコム事件の直前にメンズエッグというファッション誌に出ていたという情報があります。

調べる限りでは他にメディアへの露出はありません。
株系のメディアだけでなく、競馬系のメディアにも出たという話は聞かず、沈黙を貫いています。
それは、2001年に語った

この言葉を実践しているのかもしれません。
冒頭に話しましたように個人投資家の頂点に立つのはBNFとcisです。
BNFは今はメディアに出てくることはありませんが、会社四季報や不動産関係でニュースが出るたびに注目が集まります。
cisは現在もトレードを続けており、ツイートがそのままニュースで流れるほど影響力を持っています。
ネットトレードをしている人で二人の名前を知らない人はいないかもしれません。
他方、uoaのことが話題に出るのは稀で、今となっては知っている人もほとんどいません。
今後もuoaが人々の注目を集めることは無いかもしれませんが、
ただ、BNFとcisの登場以前、一人の若き天才トレーダーがいたことを忘れないで下さい。
《了》
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