cisのトレード方法について2004〜05年

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目次

1.はじめに
2.資金の流れ
3.具体的な資金の流れの把握方法
4.個別銘柄の需給
5.フォース
6.市場参加者の意思
7.売買状況の詳細
 7-1.@出来高
 7-2.A値動き
 7-3.B約定状況(成行買いの回数と枚数)
 7-4.C近似チャート
 7-5.DVWAP
8.その他トレード
 8-1.長方形買い
 8-2.リスク<リターントレード
 8-3.逆張り(リバウンド取り)
 8-4.持ち越し
 8-5.損切り
 8-6.テクニカル
9. 2004〜05年の地合い
10.BNFとの2回目の出会い
11.資産推移
12.具体的なトレード例
13.ジェイコム事件
14.ジェイコム事件後日談
15.2005年末

1.はじめに

もともとファンダメンタルをもとに割安株に投資していたcisは2002年12月びびりとの出会いをきっかけに値動きでタイミングを読むことを身に付けます。
2003年7月にUFJ銀行のトレードで機関の買い付けに乗ることを覚え、10月に割安感より資金の流れを見ることに気がつきます。
11月にBNFと出会ってこれらのトレード方法に確信を得、加えてuoaの手法を研究して板読みを覚えます。
こうして2004年、トレードが完成されます。

cisのトレードの根本にある考えは



というものでこれは現在も続くトレードの根本原理になります。
「上がるとき」と言うのは相場に資金が流入した時であり、それは売買状況に何がしか違和感をもたらします。
その違和感ある売買状況をよく観察し、需給(売りが多いか買いが多いか)を見抜き、 最終的に市場参加者の意思を読み取ってトレードして行くのがcisのトレードです。
特にcisはこの時代、機関の買いをフォースと呼んでおり「フォースを感じれればほぼ負けは無い」(2003年11月17日)と言うぐらい得意にしていきます。


2.資金の流れ


と言っており個別株は売り買いの需給を見ている一方、相場全体は資金の流れを見ています。
2003年後半から驚異的に資産を伸ばした理由を聞かれた際、

と言っており、(個別銘柄の割安性よりも)相場全体の資金の流れを見るようになったのが勝因と言っています。


3.具体的な資金の流れの把握方法

相場全体の地合いの読み方、即ち相場に資金が入ってきているかは

と言うように幅広い銘柄監視によって把握します。

より具体的には

となり、ザラバ情報2で幅広い銘柄を監視して資金の流れを把握するとともにマイページで個別銘柄の需給を確認します。

名無しより、監視銘柄をすべて見ていたら場が終わってしまうのでは、と言われた時は

と答えており、また

と言っており、ザラバ情報2では現在値もしくは実行ティック(AskとBid)のみを見て地合=資金の流れを見るようにします。

4.個別銘柄の需給

ザラバ情報2で資金の流れを把握した後、マイページで個別銘柄を監視しますが、マイページで重点監視銘柄になるのは


と言うようにいつもと違う違和感によってピックアップします。

違和感によって個別銘柄をピックアップした後、
売買状況のみ」(2005年1月1日)
を観察します。
cisが強含んでいると言った判断基準を問われた際に

と答えており、売買状況とはおそらくこれらのことを指していると考えられます。
これらの売買状況を観察して需給を読み取ります。


需給とは「売りたい枚数が多いか?買いたい枚数が多いか?」になります。
なお、「前日までの需給は日足チャートで大まかに確認」(2005年1月18日)します。

整理すると、売買状況とは
@出来高
A値動き
B約定状況(成行買いの回数と枚数)
C近似チャート
DVWAP

のことであり、これらから需給(売りたい枚数と買いたい枚数のどっちが多いか)を判断していきます。
特にこの売買状況の観察を重視しており



と言っています。

5.フォース

売買状況から需給を見抜くわけですが、cisがフォースと呼んでいる機関投資家の買いを特に重視します。フォースとは

「上昇する兆しが消えた」というのは前後の文脈から不可解なのでおそらく兆しが見えたの打ち間違いと考えられます。

外人はじめ機関投資家の買いに関して

と言っており、機関投資家の買い(フォース)に乗れば後からディーラーや個人の提灯買いがついてくるという考えです。

フォースの一例です。

寄り付きから買いフォースで5日線を突破し、その後の提灯買いの強さから上値を追っていく動きを読んでいます。

なお、フォース(実需の買い)以外の買いとしては、

となります。


6.市場参加者の意思

相場全体の資金の流れと個別株の需給(特にフォース)を見抜くわけですが、最終的に市場参加者の意思を読み取ってトレードします。

と言っています。






と言っています。

具体的に読み取る市場参加者の意思は、

と言っています。


7.売買状況の詳細

売買状況とは、
@出来高
A値動き
B約定状況(成行買いの回数と枚数)
C近似チャート
DVWAP
これらのことであり、詳細を見ていきます。

7-1.@出来高

出来高の重要度を聞かれ、
重要度は5段階で4.5」(2004年7月31日)
と答えており、かなり重要視しているのがうかがえます。



出来高が通常の倍以上」 と言うように出来高がいつもと違ったらエントリーして行きます。

特に
前場の出来高に対して後場寄りの出来高が少なめだったから、買い意欲は終わり」(2005年1月15日)
と言うように前場・後場の寄付きの出来高に注目しています。

名無しが「分足で出来高を伴って上昇したら買い、出来高減ったら売りってことじゃねーの?」と聞いたことに対して

と言っています。
「残り8割の重要点」とは、おそらく単発の買いによる出来高増加ではなく、継続的な資金の流入(機関の買い付け)による出来高増加のことを指していると考えられます。
単発の買いによる出来高増加と継続的な資金の流入による出来高増加の違いは、前述の寄付きの出来高のほか値動き、約定状況等
売買状況を総合的に見て」(2006年8月30日) 判断します。

7-2.A値動き




というように5分後、1時間後、大引け、翌日の寄り付きが上がるかどうかという観点で値動きを見ます。

cisは上がっていく途中で売りがでる地合いを苦手としており
なんかムズイ 上げると引け間際に利益確定売りが出まくってうざい」(2004年9月6日)
と言っており、裏を返せば、途中で売りが出ず、一方通行で上がっていく値動きを得意としています。
おそらく5分後、1時間後、大引け、翌日の寄り付きまで一方通行で上がる値動きかどうかと言うのを見ているのではないでしょうか。

後年cisの手法を研究したというサイタマンによると

「角度20〜30℃程度の右上がり」と言っており参考になります。

一方通行で上がる値動きか途中で売りがでる値動きかは、前述のように継続的な資金の流入があるかどうかであり、
出来高同様「売買状況を総合的に見て」(2006年8月30日)判断します。

7-3.B約定状況(成行買いの回数と枚数)

成行買いの回数に関しては


とあるように断続的にしつこく買われる場合に買い意欲が強いと見ています。

成行買いの枚数に関しては名無しから何度か指摘されており

これらから分かるように大きな枚数で買われることに注目しています。

このように成行買いの回数や枚数がいつもより多ければ、需給が強いと読んでエントリーしていきます。

買い手は、

と言うように4種類に分けて見ます。

成行買いの回数や枚数は

と言っています。

また、単に大きな買いについて行けばいいわけではなく、

と言っています。
続伸する時とそうでない時の見極めは、前述のように継続的な資金の流入による買いかどうか、
即ち出来高や値動きを含めた「売買状況を総合的に見て」(2006年8月30日) の判断になります。

7-4.C近似チャート

同業種のチャートと比べることによって強さを計ります。例えば




とあります。
また、同業種のチャートだけでなく、日経先物や米国市場指数、為替と比べることもあります。




7-5.DVWAP





と言っており、機関が買えば現在値がVWAPの上になり、角度も上がると捉えています。
一方で名無しより「課長ってVWAPトレーダでしょ?」と問われ
ほとんど見て無い 銘柄によってはみてるけど」(2005年3月6日)
と答えています。出来高や値動き、約定状況の補完的なものと考えられます。


8.その他トレード

8-1.長方形買い

後にcisのトレードの最大の特徴となる長方形買いですが、初出は2005年4月の

になります。

ということであり、つまり買い需要(フォース)を感じたら買っていき、それが同じ銘柄なら結果的に買い増すことになるということです。
cisのトレードに大きな影響を与えた2002年12月の忘年会と2003年11月の「伝説のフルーツパーラーオフ」の両方に参加した すくる〜じ は、
利益が乗ると次々増し玉していく手法ですので、あるいはcisに影響を与えたかもしれません。

8-2.リスク<リターントレード

需給が感じにくい相場環境の時に使うトレード方法であり、2006年に新興市場が下落トレンドに入った時に盛んに使った手法です。


と答えており、需給を感じられない場合は有利なタイミングでエントリーしているのが分かります。

名無しより石井鉄工の空売りについて聞かれた時も

と答えており、「有利なポイント」でトレードしています。

売買の時に計算することを聞かれた際、

と答えており、「有利なポイント」というのがリスクとリターンの兼ね合いでリターンが多い場合と考えられます。
この手法は2006年以降詳しく語られることになります。

8-3.逆張り(リバウンド取り)

cisは急落時の逆張り(リバウンド取り)をよくやります。
リバウンド取りをやるタイミングは、

と言うように機関投資家の投げの一番最後に買います。

具体的には、2008年になりますが分析された方がいます。

と言うように底値(直近安値や支持線)の一段下(2ティック下等)で買い、3ティック上で売ることが多いようです。
※「12750滴と売り食い」は12750適当利食いのこと。

8-4.持ち越し

持ち越しの基準は

になります。

デイトレとスイング(持ち越し)のそれぞれ注意するポイントを聞かれた際は


と答えており、デイトレをしていてその強さが翌日まで続いていそうならそのまま持ち越しになります。

また


と言っておりアメリカの動きに左右されず強い銘柄を選ぶべきと言っています。そのためには
(明日上げそうかどうか)

と言っており日足と2時からの値動きが重要になります。


引け間際に強いことが持ち越しのポイントなるようです。

そして、
持ち越しも相場眼が重要 冷静な目と相場眼 実力出るよ」(2005年12月17日)
と言っています。

8-5.損切り

cisは高速損切りと言うように非常に損切りが早いです。
まず損切りについて




と言っており、損切りだろうと利食いだろうとただの手じまいという考えになります。
そして、高速損切りする場合と言うのは

と言っています。これは

というように、
とくに損切りラインをはやくしてるわけ」ではなく、あくまでも
もうこれは反発無しに下がりそうなうえに明日の寄り付きもたいして期待できないな
と思ったら手じまっているだけで「上がりそうなら損切りしない」ということです。

名無しより手じまいについて相談された時
下がるのが嫌で売ったのはいいんじゃないのかな そのあと上がってきたらまた買えばいいじゃん」(2004年9月3日)
と言っており高速損切りをしても上がってきたらまた買えばいいという考えになります。

大損した時は
とりあえずその日の取引を反省してどうすればいいか考える。
それが終わったら忘れる。俺はこんな感じ もう何回もやらかしたから慣れた
」(2004年9月8日)
と言っています。

利確と損切りの割合は



と言っており、損切りの方が多くなります。
損切りの一例です。


ただ
メガバン暴落しても日経暴落しても大負けしなくてそれで資産はずーっと上向きなんだから自信もってイイですよね」(2004年4月27日)
と言っており資産が増えているならそれでいいという考えです。

8-6.テクニカル

cisはテクニカルはどのくらいに気にしているのかと聞かれ

と言っており、cisのエントリーポイントは、テクニカルのポイントと一致することが多いと言うことです。
テクニカルアナリストがテクニカルの観点からトレードポイントを決めるのに対し、cisは需給の観点から決めますが、それは偶然一致することが多くなるようです。

2007年になりますが、5日移動平均線のブレイク買いについて

と言っており、当日の安値高値に関しては

と言っています。
勢いよく買われる瞬間にエントリーしていくとテクニカルのブレイクポイントと一致することが多いということです。

「勝ち組トレーダー」がテクニカルについて語ったところを貼ります。




びびりは、上記のコメントに加え(ローソク足は)「みますよ、それは基本だから」、(VWAPは)「そういえば見てますね」(2004年2月22日)と言っています。


9. 2004〜05年の地合い

前述しましたが
外人買いは地合いのエッセンスなだけであって地合いが良くなってあきらかに需給がよくなってくれば市場でディーラーや個人が思惑買いをする」(2005年1月18日)
セクター物色、出遅れ、5日線突破、出来高急増 なんでも理由をつけて思惑買いが入る」(同)
と言うようにこの時期は非常に地合が良く、大口買い(機関投資家の買い)が継続的に入り、さらにディーラーや個人が提灯買いをする地合いでした。
この提灯相場はいつまで続くのだろうか」(2005年4月25日)
提灯がいる限り俺は安泰だな」(2005年5月31日)
と言っています。後年も
(2005年は)「タワー投信が暴れてたから、需給読みがばっちり余裕で極まりやすかったってことじゃないかなー あの頃は負ける気しなかった」(2007年4月12日)
と言っています。

2004年当時、提灯のつきやすい好地合いを利用してこのようなこともありました。



10.BNFとの2回目の出会い

cisは2004年11月20日にBNF、びびりと再び会っています(びびりとcisは麻雀仲間のため日常的に会っている)。
これは突然BNFから「会おうぜ」(2004年11月18日)と声が掛かったもので、再び会ってみると



顔立ちの良さとトレードは関係があるのか不明ですが、かなり打ちのめされています。
当時BNFやcisよりうまいと言われていたエロエロ大王とBNFはどちらが上だと感じた?という名無しの質問に対しては
エロエロは一生BNFの資産は抜けないと思う」(2004年11月20日)
と答えています。この時BNFの資産は
10億だったなー」(2007年4月3日)
ということです。
BNFとは前に会ったことあるのではと言われると



BNFはスイングがメインなのでcisは短期売買(デイトレード)では負けないと思っていたようですが、それも打ち砕かれてしまいました。
名無しから「昔はBNFから話し聞けて嬉しかったんだろ?それが今は嫉妬になってるっつーことは自分のレベルが上がったとか思えばいいんじゃねーの?」と慰められると



と言っています。

BNFはもともと頻繁に2chに投稿するタイプではありませんでしたが、この半年後の2005年4月を最後に2chから姿を消します。


11.資産推移

cisはイー・トレード証券(現SBI証券)をメインに使っており、その他マネックス証券と楽天証券に口座があります。
イー・トレード証券のみの資産なのか他の口座も合わせた資産なのかはっきりしないのですが、cisのためのスレッドである「株板相場師列伝スレ」で報告されものを記載します。
イー・トレード証券のみの資産推移は「今日の勝ち負けを報告するスレッド」に報告されており、
http://saitama.no-ip.com/market/user_data.html?d=96
こちらにまとまっていますので参考にして下さい。

2004年年初「年初資産36,400,000」(2004年12月30日)
2004年1月17日「種銭は4100万バーチャルちょいですよ」「E*に入ってない分が死後百万バーチャルあるくさいです
2004年2月1日「5000万ぐらい
2004年2月9日「4060+300+50+100」(4510万円)
2004年3月5日「総資産だと全部で5000万ちょいです。流動資産だと税引き後は4600万ぐらいかな
2004年3月27日「総資産は51,530,413円
2004年4月2日「5580
2004年4月28日「6500〜6600ですかねー
2004年5月22日「今の資産は8000万ぐらいかな E*に入ってるのは7200万ちょい。ちょっと出金した
2004年6月2日「7500万の資産
2004年6月7日この日より専業トレーダー
2004年6月25日「貯金額:8800万円
2004年7月12日「・・・・・億っ!!!!!
2004年7月15日「全部で1億あるから
2004年7月29日「1億遠すぎ9600万
2004年8月10日Eトレード証券の口座が1億円到達
2004年8月25日「俺は155万→11400万ですけど・・・」「1.4年でです
2004年9月30日「金融資産が1億4000万
2004年10月28日「今は1億5000万ぐらいです
2004年11月28日「18600万
2004年12月27日「2.14億円先生おめでとうございます
2005年1月6日「2.5億先生おめでとうございます
2005年1月29日「たぶん三億超えたかもしれない
2005年2月22日「・・・・・4億円!!!!!!
2005年3月15日「・・・・・ろくおくっ!!!!!!
2005年4月19日「・・・・・はってんにーごーろくおくっ!」(8.256億)
2005年5月5日「9.81億円
2005年5月28日「E*に約8億その他は全部あわせて2億ちょい
2005年6月19日「現金で15億2000万円持っています
2005年7〜10月は新婚生活に専念するため2chを休業。トレードは継続。
2005年11月4日「デイトレで100万を3年間で20億に増やした
2005年12月1日「22億ぐらい…
2005年12月7日「23.4大奥ぐらい
2005年12月8日ジェイコム事件
2005年12月17日「29億円

cisは2005年4月15日、資産を証明するためあることをします。









ただ、この見せ板行為は寄り前と言えどもイー・トレード証券(現SBI証券)の売買管理部とジャスダックからかなりお叱りを受けたようです。



証券会社の売買管理部とジャスダックから怒られた内容は


と言うことです。

※鴨川グランドホテルの板の画像はこちらのブログから引用しています。
http://blog.livedoor.jp/angelldust/archives/51270853.html

12.具体的なトレード例

他のメガバンクの銘柄とりそなの出来高と値動きを比べ、りそなに機関の買いが入っていると判断して、りそなを買っていったトレードを紹介します。
日中足の値動きは取得できませんが日足と四本値を紹介します。
機関の買いによって暴騰を予想しつつもディーラーや個人は天井圏と認識していると判断しています。









※四本値はヤフーファイナンスより引用しています。


13.ジェイコム事件

ジェイコム事件とは2005年12月8日(木)に起きた誤発注事件で、この日に新規上場したジェイコム株(公開価格61万円)は9時でまだ寄り付かず、
買い気配を切り上げる形で推移していましたが、9時27分にみずほ証券が61万円で1株の売り注文を入れようとしたところ誤って1円で61万株の売り注文を入れてしまい、それによってジェイコム株は67万2000円で初値を付けます。
わずか3分後の9時30分にストップ安の57万2000円にまで急落し、誤発注の取り消しができないと悟ったみずほ証券は、ストップ安価格で40万株以上の買い注文をはじめ買い戻しを敢行します。
9時43分ストップ高の77万2000円まで買い上げ、何度かストップ高から落ちる場面もありましたが、10時21分以降はストップ高張り付きのままでこの日の取引を終えます。
翌営業日からジェイコム株の売買は停止になり、最終的には溶け合いと呼ばれる緊急措置で、みずほ証券が一方的にジェイコム株を現金で買い上げる形でこの事件は終息します。

整理すると
@9時27分 ジェイコム株初値
A9時30〜37分 ストップ安
B9時43分 ストップ高(10時21分 ストップ高張り付き)

となります。cis及びその他の個人トレーダーがどのように動いたか見ていきます。

@9時27分ジェイコム株初値

当時新興市場の地合が良かったため公開価格61万円に対して90万円程度で初値を付けると考えられていましたが、突如気配が急落し61万7000円で初値を付けます。



A9時30〜37分 ストップ安

初値を付けたジェイコム株は一気に57万2000円のストップ安まで急落します。



ストップ安をしたジェイコム株にcisと一部の個人トレーダーが動きます。


cisはストップ安で3300株、20億円分購入します。

cisなどの個人トレーダーだけでなく次々大口の買いが入りストップ安から戻します。
誤発注の取り消しができず買い戻しを敢行したみずほ証券の40万株以上の買いもあったようです。



B9時43分 ストップ高

ジェイコム株は一気に77万2000円のストップ高まで行きます。
その後乱高下しますが10時21分以降はストップ高張り付きとなって取引を終えます。



cisはストップ安で買ったらすぐにストップ高で手じまいの注文を出しておりジェイコム株を一部残して決済します。
そして、当初誤発注元と考えられ急落していた日興Cと大和Gに空売りをかけます。


ジェイコム株はストップ高で売って6億円儲け、日興Cと大和Gを空売った後、急落していたメガバンクを買いに行きます。


メガバンクは結局伸びず損切りになります。そのことに関しては
証券会社の誤発注なら損失埋め合わせするために持ち株のメガバンとか売ったんだと思った。
ほぼ合ってたけど、まさかみずほとは…
」(2005年12月9日)
と言っています。

損益としては



となります。

ジェイコム株は、初値を付けてからストップ安まで3分、ストップ安で7分、ストップ安からストップ高まで6分とわずか16分の攻防でした。

cis同様に買いに向かった個人トレーダーがいる一方、
「怖くて火炎…」「気づくの遅くて全然のれてねーし」「S安のあの段階で余力いっぱい買うのも素人にはかなり勇気がいる」(いずれも名無しの発言)
というように買えなかったトレーダーも多かったようです。
後に著名個人投資家になる五月は著書『勝つ投資 負けない投資』で

『その時僕は、リアルタイムでその様子を目撃していました。ところが、ただの1株も注文を出すことができませんでした。
「誤発注」という概念そのものが僕の頭になかったため、今起きていることが何で、それがどんな機会をもたらすのかについて想像力を働かせる材料を持たなかったのです』

と書いており手が出なかったようです。

cisが言うように
決断の速さが必要」(2005年12月8日)
な場面であり、cisが最も優位性のある
対戦ゲーム感覚の操作の速さと頭の切り替えの速さ」(2005年6月19日)
が発揮されたトレードといえます。


14.ジェイコム事件後日談

ジェイコム事件は12月13日にみずほ証券が91万2000円で一方的に買い取るという形で終息します。
その後、大量保有報告書によって大金を稼いだ個人トレーダーがニュースで流れます。



大量保有報告書には本名が記載されていたため、六本木24歳会社役員と市川市27歳無職男性についてあれこれネットで詮索が始まります。
六本木24歳会社役員については
オフのとき言ってたことと一致してるし。9割uoaじゃないかな」(2005年12月18日)。
市川市27歳無職男性についてcisは多くを語りませんでしたが、しばらくしてこの男性自らBNFと名乗り始めました。
cisはBNFだと分かっていたのかと聞かれ
俺は会ったことがあったから…」(2006年6月28日)
と答えており当初からBNFだと分かっていたようです。

uoaは2003年8月、BNFは2005年4月を最後に2chに来ておらずcisは思わぬ形での再会になりました。
最低同世代の2人に抜かれてることが発覚したので俺もまだまだだね…」(2005年12月18日)
uoaやBNF?が俺と同じペースで増やしてることを知って鬱になってその後燃えた」(同)
と言っています。


15.2005年末

2005年末、cisは得意絶頂でした。
数々の名言(珍言)を生み出します。










cisは屈辱の追証経験からわずか3年で30億にまで増やし、とりわけジェイコム事件では過去最高の利益を上げ、
なおかつプライベートでは結婚もし、人生の黄金期だったと考えられます。
ライバルの一人だった金くれからも「cisは人生の絶頂期だなw」(2005年12月28日)と言われています。
また、cisばかりでなく
短期売買で勝ち組が負けになった事例聞いたことないよ」(2005年12月9日)
というように多くの個人投資家にとっていい時代でした。

しかし、古くからの格言が示す通り、翌2006年、歓喜の中で相場は去っていきます。


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