cisのトレード方法について(2002年)

ツイート

目次

1.はじめに
2.セブン-イレブン・ジャパンの取引
3.中長期の投資方法
  3-1.@好業績で割安の株を買うこと
  3-2.A下がりそうだと思ったら売ること
  3-3.B割高株に悪材料が出たら空売りをすること
  3-4.投資期間
  3-5.全額投資
4.デイトレード
  4-1.2002年7月NTTのトレード
  4-2.2002年7月本田技研
  4-3.2002年8月みずほHDのトレード1
  4-4.2002年9月みずほHDのトレード2
  4-5.資産推移及び追証
5.2002年の地合
6.びびり方式


1.はじめに

2002年6月までのcisは、高校生の時のセブン−イレブン・ジャパンの取引を原体験として
企業内容に対して株価が割安でこれから上がりそうな株を買う。いつの時代もただそれだけ」(2002年5月16日)
と言うように、ファンダメンタルを中心とした中長期の投資をしていました。2002年6月から
証券会社の自己売買部門はデイトレで利益あげてるじゃん。それは俺にもできないかと」(2002年7月29日)
とデイトレードを始めます。

2.セブン−イレブン・ジャパンの取引

cisは高校生の時に初めて親の口座でセブン−イレブン・ジャパンの株を取引きします。
それが今の基礎」(2002年12月25日)
と言うように好業績割安株への中長期投資の基礎となっています。具体的には



と言うトレードでした。株を始めるため
株の勉強(研究)と資金は高校生の頃からずっと貯えてました」(2002年7月11日)
と言っており、さらに



と言っています。

3.中長期の投資方法


@好業績で割安の株を買うこと、A下がりそうだと思ったら売ること、B割高株に悪材料が出たら空売りをすること、この3点で5年間勝ち続けたと言います。

3-1.@好業績で割安の株を買うこと

好業績で割安の株の判断方法になります。


PERを最重視して、将来見通し、ROE、PBR、配当利回り、株主重視度を見ます。これらを考えて全銘柄の中で一番割安のものを買います。
さらに場合によっては直接企業を訪問して調査をします。サミーではわざわざ入社試験を受け
経営者の考え方や事業内容にさらなる成長性を見いだした」(2002年7月13日)
と言います。また
その会社で働いている学生の頃の友達にいろいろ聞くのもいい」(2002年7月13日)
と言い、東京建物では
東建に勤めている友達がいるからいろいろ聞いてるけど(NOTインサイダー)業績はかなり堅調っぽい」(2002年8月5日)
と友人へのヒアリングで企業を調査しています。cisは勝ちが伸びない時に
勝てる気がしない。最近は仕事が忙しくて、株の研究もみなが知ってるような側面しか研究してない」(2002年12月18日)
と言っており、裏を返せばみなが知っているような側面以外の研究、すなわち友人へのヒアリングや入社試験を装った企業調査で投資の優位性を得ていたと考えられます。

3-2.A下がりそうだと思ったら売ること

損切りはこれ以上下がると思ったらすぐに売ってしまいます。値段ではありません。下がると思ったらです!下がると思わなかったらいくらでもホールドです」(2002年12月26日)
と言っており、買付単価に関わらず下がると思ったらすぐに売るというスタンスです。一方、利食いは
その株の有利性が損なわれたときです。業績見通しが変わった。値段が上がって割安性が薄れた。ほかにもっと有利な銘柄が発生した。などのときです」(同)
と言っています。ファンダメンタルに変化があるか、割安性が無くなるか、もしくは他に有利な銘柄が見つかるまで伸ばします。ナンピンに関しては
ナンピンは基本です。でも感情でナンピンしないように」(同)
と言っており、おそらくファンダメンタルに変化がなく、上がると思える限りナンピンし続けるということではないでしょうか。

3-3.B割高株に悪材料が出たら空売りをすること

このことに関してはこれ以上の説明がありませんが
割高株は地合が悪いととことん下がって一生戻らない可能性が高いよ。買うべきじゃないのだ」(2002年7月24日)
と言っており、割高株の下落は一生戻らない可能性があると考えです。悪材料をきっかけに空売りを掛けていたようです。

3-4.投資期間

投資期間は「6ヶ月間ぐらい」(2002年8月30日)になります。

3-5.全額投資

cisは1番優秀な銘柄に全額投資が最も効率がいいと考えており





と言っています。

4.デイトレード

cisは2002年6月より
証券会社の自己売買部門はデイトレで利益あげてるじゃん。それは俺にもできないかと」(2002年7月29日)
と言う理由でデイトレードを始めますが、当初は中長期投資の手法をそのまま当てはめる形でデイトレードをします。

ファンダメンタルの割安感(割高感)からレーティングを出します。


このレーティングをもとに
指値しておいて下がってきたら買えて、適当に上に売りを置いてた」(2007年4月12日)
というトレードをします。

具体的なトレードを見ていきます。

4-1.2002年7月NTTのトレード



NTTをNTTドコモの時価総額と比べて割安だからと言う理由でエントリーし、結局上がらず損切りします。損切りした後に上昇していきます。

4-2.2002年7月本田技研



自動車セクターで最も業績がいいという理由で本田技研を買いますが、上がらずナンピンして、結局損切り。損切りした後に上昇していきます。

4-3.2002年8月みずほHDのトレード1


@281と言うのは@281,000のことです。


外資が喜ぶ材料があるという理由で(経営健全化のための計画の履行状況を提出した)、買いに行き、ナンピンして損切りしています。
「なんでこんなに安いのに誰も買わないのか…」と嘆いており好材料と割安感があれば買いが入ると考えているのが分かります。


と言っていますのでcisが損ぎった後に戻したようです。

4-4.2002年9月みずほHDのトレード2



cisはこの時代みずほHDをよくトレードしますが、それは最も割安だからと言う理由からです。
加えて9月は銀行株が上がりやすいという傾向を見抜き、積極的にみずほHDのトレードをして行きます。


割安性のみでトレードしているため急落している時はいつもエントリーすることになります。
株価はどんどん下落して行きます。


結局損切りになります。ちょうど下落がオーバーシュートするところを待ち構えていた潜伏員に売ってしまいます。潜伏員は逆張りを得意としていました。
その後株価は戻していきます。


いずれのトレードもcisは
株の買い時はいつでも、今この瞬間しかないよ」(2002年9月17日)
と言うように、割安性が見えたらすぐエントリーしてしまい、オーバーシュートして下落したら損ぎるという事をしています。
そして株価だけ戻していくというパターンになっています。(cisのエントリーと手じまいの速さは最大の利点の一つでありこの点は2004〜05年のところで説明します)。

cisの相場の読みは必ずしも悪くなく、



と言うように、タイミングだけが悪くなっています。

4-5.資産推移及び追証

2002年6月4日「銀行口座:3万円(引き落とし分) 財布の中:50万円 証券口座1750万(残り全部)
2002年6月26日「とうとう俺の資金が1400万切ってしまった
2002年7月11日「金融資産1500万
2002年8月6日「サイフの中の50万円も口座に入金してナンピンしますた
2002年8月9日「計算するのもだるい 1100万ちょいじゃない?
2002年8月12日「910万+112万でした
2002年8月30日「6月までで:+500万円 6月から現在:-730万円
2002年9月3日「1時間で含み損100万超えた。運用資金900万で、、、
2002年9月5日「620万しかなかったよ
2002年9月6日「資産600万切りました
2002年9月14日「550万 だけどそろそろ給料はいるから570万
2002年9月17日「500万切った
2002年9月19日「400万切ってました
2002年9月24日「350万しかないのに58万損しますた
2002年9月24日「長かった連敗54でストップの予感
2002年9月26日「54連続往復のあと1回だけ1000円抜きをはさんで3連続負けかよ…
2002年9月26日「今日100万円ほどどっかから引っ張ってくる予定」「JRAのPET口座の保証金とか一口馬主の口座のお金とかそのままにしてるトラベラーズチェックとか
2002年9月27日「口座に94万入金してきた!
2002年10月3日「この前94万入金したので290万ある」「生活費でで30万ほど下ろさなきゃいけないので実質250万かな
2002年10月11日「1941000円


次々と資産を失ってしまい、顎芝居なのか本気なのか言うことも悲惨になってきます。






そして、


証券会社から追証の警告を出されてしまいcisはある手段を使います。
親の株券を信用取引の担保に使ってしまいます。


親の株券を担保にcisは勝負に出ます。
注文出しました。日立15000株買い@458 先週の100万株の売り板を吸収したときが@458でそこから反転!たのむよ〜」(2002年11月10日)
と言って翌11月11日(月)に日立の買い注文を出します。日立の四本値です。

2002年11月11日
始値470円
高値470円
安値446円
終値448円

寄り天で下がって458円で買い注文が約定します。翌12日の四本値です。

2002年11月12日
始値433円
高値444円
安値432円
終値435円

ギャップダウンを食らって含み損が増え、12日の大引け後にcisはあきらめて
日立はなみだの成り売り」(2002年11月12日)
と損切りを決意しますが、欲を出したのか成り売りではなく440円で指値の注文を入れます。翌13日です。

2002年11月13日
始値437円
高値437円
安値417円
終値418円

指値440円に届かないばかりか大幅に下落します。





2000万ほど3ケ月ですってバーチャに転落って40代管理職→リストラホームレスレベルだな。。。」(2002年11月14日)
と自嘲気味に言っています。事実上の退場です。2003年に
去年は口座資産7万円ってときがありました」(2003年12月31日)
と言っていますがおそらくこの時のことではないでしょうか。

資産を失ったcisは種銭を作るべく株とは別の勝負に出ます。2002年11月17日に行われた競馬G1レース、マイルチャンピオンシップに賭けます。


Iトウカイポイントは単勝人気18頭中11番でした。

2002年11月17日マイルチャンピオンシップ




レース結果です。



こちらのサイトから引用しました。

http://db.netkeiba.com/race/200208050611/


cisはマイルCSで稼いだ100万円や会社の給料、日産のコールオプションの決済金額等で220万円から再出発することになります。
この時(2002年11月)はプレイステーションの蓋を作る工場に出向しており給料が良かったのも幸いしました。
本来の給料は親族の会社で取締役課長だったとはいえ
俺の年収は350マソですよ。これでも課長ですが、なにか?」(2002年6月25日)
20代半ばなのに去年の給料25万→23.5万に減給 しかもボーナスは一ヶ月です」(2002年7月23日)
と言っています。




親の株券に関しては2004年に
去年の年末全部現金で返した」(2004年3月28日)
と言っており、1年後の2003年末に現金で返したようです。家族会議は行われたのか不明です。


5.2002年の地合

2000年4月にITバブルの崩壊があり、それ以降は時々リバウンドによる上昇がありましたが基本的には下落トレンドでした。
当時はまだ個人投資家が少なく、急騰急落時に個人投資家の逆張りによる緩衝が少なかったため、一方的に動きやすい地合いでした。

BNFは後に01年当時を振り返って
“「参加者が少ない時代は動きが素直だったんですよね」”(『マネーの王道セオリーvol.1』2006年5月8日発行)
と言っています。

この時代の勝ち組投資家を見ると、一方的な値動きに順張りするか、もしくはオーバーシュートした値動きに逆張りするかでした。
前者は例えばびびりであり、後者がBNFになります。

ただcisがデイトレードを始めた02年半ばから秋にかけてはBNFも
“「一番つらかった時期です。アメリカ市場の乱高下に日本も巻き込まれていて、自分が売ったら暴騰、自分が買ったら暴落。
少しのタイミングの差なんですけど、恐ろしいぐらい裏目に出て。何度も株をやめようと思いました」”(同)
と言っており、cisは手法の未熟さもさることながら、BNFも苦戦した悪地合いの時にデイトレードを始めてしまったことになります。

その後BNFは02年の年末ごろより
“後半の下げ相場で、大手銀行株など、当時下げがきつかった銘柄を選んで逆張りに成功し、再び巻き返し始め”(『CIRCUS』2006年4月号)となりますが、
cisはオーバーシュートを待たず割安性が見えたらすぐにエントリーしてしまう逆張り法がたたり、勝ちやすい地合いになっても苦戦が続きます。


6.びびり方式

2002年12月14日cisは新宿で忘年会を開きます。


この忘年会に参加したのが当時21歳の大学生ながら7千万以上の資産を持っていたuoa(うおあ)とcisと同い年で2千万以上の資産を持っていたびびりでした
(当時びびりは24歳、cisは早生まれのため23歳)。
後に15億円以上を稼ぐすくる〜じもこの忘年会に参加していました。

cisは当初この忘年会の後もトレードスタイルを変えませんでしたが、翌2003年2月からスタイルの変更に着手します。
去年の2月頃株やめようかと思った時が3日ぐらいあった。あのときあと一週間ぐらい負け続けたら株やめてたかもしれない」(2004年2月14日)
と言うようにトレード人生最大の危機ともいうべき時期でしたが
でもどんな地合いでも安定して長い期間ずっと儲けてる人がいたのでそれで辞めないことにした。それから研究して勝ちだした」(同)
と言うようにcisはまずびびりの研究をします。

忘年会でびびりから教わったことは長く謎でしたが数年後に語ります。びびりから聞いたことというのは
強ければ強いほど良いってこと」(2007年8月27日)
なんどもびびりおんブログに書いてあるじゃん。日経JASDAQ平均見ながら新興の強いのショットガン買いって」(2008年11月3日)
と言うもので、cisはそれを真似してトレードを始めます(ショットガン買いと言うのは細かく分散買いすること)。
当時株の売買に関して無知だった俺がとりあえず自己資金をかけて新興上がったらとにかく全力ショットガン買いを真似したのはすごいギャンブルだった」(2008年12月8日)
と言っておりcisにとっては勇気のいるトレード方法でした。そして、
今日はじつはね、びびり方式で投資したらなんとそれは儲かった!w まんせ〜」(2003年2月6日)
とびびり方式で利益を上げることに成功します。
レベル上がったーーー!びびり方式で永久儲けようなかぁ〜〜〜」(同)
と自信をのぞかせています。一方、今までのファンダメンタルに基づいてデイトレードをする方法に関しては
自分が買えたらそれまで売られていたのが、反転して上昇するなんて都合のいいことはそんなにいい確率では起こらない」(2007年4月12日)
俺の方式はインサイダー気味なぐらい情報が早く入ってこないとなかなかきびしい感じ。安定して勝にはね」(2003年2月6日)
と誤りを認めています。

びびり方式を取り入れたことについて
割安銘柄を買えば勝てると思ってたけど そうではないと気がついた」(2008年2月23日)
ファンダ重視で売買して負けてた俺を値動き重視売買に変更させたきっかけだね」(2008年11月3日)
と言っており、このあとcisは現在まで続く値動き重視のトレードスタイルを身に付けていきます。
びびりの発言は俺にとって1000万以上の価値があった」(2004年3月28日)
と言っています。

ツイート
HOME>cisのトレード方法について2002年>cisのトレード方法について2003年